膵炎と鍼灸

先日、お腹を壊し嘔吐が止まらないワンちゃんが来ました。食欲はあったのですが症状がひどいので血液検査をしたところ、急性膵炎でした。

急いで、点滴や膵炎のお薬、吐き気止め、下痢止めなどの注射をし、その処置に加えて鍼治療とお灸を同時に行いました。

膵炎の場合、西洋医学的な治療は必須なのですが、そのほかにも体の弱っているところを補い、消化機能を助けるようなツボを選択し鍼灸をします。それにより、点滴や注射だけの治療よりも気持ちが安らいだり、腹痛などの不快感を軽減することができます。この子は少し高齢でしたので、自己治癒力を高める目的で全体的に元気が出るようなツボも鍼を刺しました。

このような治療は中西結合といいます。中は中医学、西は西洋医学の意味で、中国ではよく取り入れられている治療法です。両方のいいとこ取りとも言えますね。

ちなみに、この子はうっかり落としてしまった鶏肉の脂身を食べてしまったということです。普段から消化機能が弱く気を使ってご飯選びをしていた子だったので、普段食べつけない脂身を食べ、余計に膵臓の機能にダメージを与えたのだと思います。(だからといって普段から脂を摂取して慣らしておこうということではないです。)

現在は、すっかり元気を取り戻していますが、今後もメンテナンスの鍼治療は継続する予定です。